月刊Bestピープル考。〜ヒトから見る、新たな向こう側〜


スペシャルインタビュー



『情熱大陸』で密着取材を受けるなど、デジタルテクノロジーを使ったものづくりのスペシャリストとして、今最も熱い注目を集めている猪子寿之氏(チームラボ代表)。
彼が多忙の合間を縫ってなんと初来熊!
そしてこの超大物同士の貴重な対談が、10月某日にひっそりと行われた。

「くまモンは著作権に対する倫理観を21世紀型に変えたと思う」
―― 〈チームラボ 代表〉 猪子 寿之 (いのことしゆき)

◆PROFILE
1977年、徳島県生まれ。東京大学工学部卒。同時にウルトラテクノロジスト集団チームラボ創業。
プログラマ、ロボットエンジニア、webデザイナーなど情報社会の様々なスペシャリストから構成される企業として、世界中から注目を集めている。


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「地方と都市の人が循環していくようなことをデジタルでやってほしい」
―― 〈熊本県副知事〉 小野 泰輔 (おのたいすけ)

◆PROFILE
1973年、東京都生まれ。東京大学法学部卒。外資系コンサルタント会社、衆院議員秘書などを経て昨年6月、戦後の県政史上最年少で副知事に就任。
好きなものはお酒(日本酒)、スポーツ、沖縄の三線演奏にドライブと幅広い。

東京大学の先輩後輩という意外な共通点もあり、対談は大盛り上がり。
小野副知事と猪子氏が描く、「ローカルの今後のあり方」「熊本の未来」とは?


●早速ですが猪子さん、熊本の印象は?

猪子 やっぱり今はくまモン≠ナすよね。いやぁ、凄いですよ。みんなくまモン好きですもんね。

小野 そうですね。小山薫堂さん(くまモンの生みの親)がコンセプトにしているのは、くまモンは皆を幸せにする存在なんだと。
そこの軸だけは絶対にぶれちゃいけない。
今では非常に大きな存在になって、小さな役所が抱えておく存在じゃなくなりつつあるので、もっともっとみんなに好かれるように考えていかなければと思っています。

猪子 許可さえ下りれば、自主的にグッズでも何でも作っていいわけですよね、最終的には。
今まであった、均一的に日本国家が守りなさいというある種の著作権に対する倫理観なり、具体的な法律を全くの21世紀型に変えた。これは凄いことです。だから成功されたと思うんですよ。

小野 最初は知事とも相談して、著作権の使用料はフリーでやろうとしたんですけど、なかなか難しくて。
でも、著作権で食べていくっていうのは、くまモンの場合はちょっと違うんじゃないかとも思うんです。

猪子 「著作権で食う」って言うのは、20世紀までは大きい産業だったわけで。僕は、コピーライトパッケージビジネス≠ニ呼んでいるんですけど。
今世界では「コピーライトはビジネスにならない」っていうのが常識になりつつあるんです。マイクロソフトも、グーグルも、アップルもそう。

音楽も然りで、レディー・ガガの場合、勝手に自分の曲をモノマネで歌って、アップすることを本人も推奨しているんですよ。
二次創作とまでは言わないけど、コピーライトを否定してますよね、完璧に。
著作人格権も無視しているし、いわゆる著作料のビジネスを無視していて。
でも、彼女は儲かっていないかというとそうじゃない。だから、日本だけ時代遅れだと思うんですよ。
たぶん、世界中の人は21世紀を新しい革命が起こる時代だと思っていて、世界中は今そのような動きになっている。
そんな中でくまモンは21世紀っぽい、グローバルなやり方をやられていて、そういうのが大きかったんだと思うんです。

小野 そこまで評価していただいて嬉しいですね。たぶん担当のスタッフもすごく喜ぶと思います。

●最近の猪子さんの関心事は何ですか? お仕事の中で。

猪子 うーん、今結構難しい話をしちゃったからなぁ……(笑)。でもとにかく僕は作るのが好き。
デジタルってこれまではブラウザの中だけだったんですけど、これからはリアルな空間もデジタルによって大変革できる可能性があって。
例えば、街の銅像、モニュメントをデジタルで作れば、凄く新しいものになっていくんじゃないかなと思います。
あと、勢いのあるアジアの人たちが見に行きたいと思えるものをつくりたいなと思います。

小野 日本に若者がたくさんいた高度経済成長の時代は重工業の時代=Aそして今のアジア諸国は、デジタル時代≠ノ若者がたくさんいるから?

猪子 そうなんです。日本はどうしても重工業の時代に成功したから、それが忘れられないですよね。
だからアジアの人たちも来たくなるようなものを作りたいですね。

小野 若い人が多い≠ニいうことが、デジタルに対する需要性を高くしますもんね。
やっぱり九州は東京よりも高齢化率が高いので、そういう意味ではもっともっと若い人を呼べるような仕掛けとかをやっていかないと。
若い人をどれだけ惹きつけるのか。
猪子さんをはじめいろいろな方に協力していただいて、面白い土地にしていかないといけないですよね。

●今後熊本を盛り上げていくにあたって、デジタルの可能性を小野副知事はどのようにとらえていますか?

小野 東京などの一部の大都市を除いたら、ほとんどの地域が少子高齢化で、しかも仕事がなかなか地方にはない。
熊本県は、毎年千人単位で人口が減っているんです。
そういう中で、どうやって地方の活力を維持するかが課題になっています。

政府が子どもを生みやすい、育てやすい、そして女性も進出できて安心して職場に復帰できるような施策をやることももちろん大事なんですけど、国にやってもらうのを待つのでは遅い。
やはり、魅力的な地域を作っていくことが一番大事だと思います。

そこで、デジタルがどのように役に立つのかも考えなければならないと思います。
例えば、日本っていうのは優秀な人材は地方で育てられて、それが都会に出て日本の底力を支えてきたんですけど、今は田舎にその元気がない。
田舎がなぜ存在しているのか、田舎になぜ道路を作らなければならないのか、理解しない人が多くなってきている。
これは、山の国、森の国である日本の土台である地方に、人がいなくなってしまうということは危機的な状況だと思います。

そういう意味ではデジタルで、そういった所にもう一度目を向けて、そして持続可能な形で地方と都市の人が循環していくようなことをやっていってほしい。
非常に壮大なことなんですが。

猪子 僕が仕事をするうえで、できれば他の県からも来てもらえるようなのがいいなと思っていて。
そして何割かがそこに宿泊して、活性化すればいいなと。

小野 そうですね。五木村っていう所でバンジージャンプを期間限定でやっているんですよ。
日本で一番高くて、私もくまモンも飛んだんですが(笑)。
例えば、そこで飛ぶ人のヘルメットに何かデジタルの仕掛けを作るとか。
「五木村でバンジー跳べるんだ」っていう宣伝にもなりますし。

猪子 それ面白いですね! しかも、飛び終わったら強制的にネットに自動でアップされたらいいですよね。
Facebookとかにあげてシェアしたら、さらに広がっていきそう。
それ、ぜひ実現させたいですね。

Exhibition


ウルトラテクノロジスト集団チームラボ
秩序がなくともピースは成り立つ
チームラボ, 2013,

『シンガポールビエンナーレ2013』(10月26日〜2014年2月16日)で発表の新作のデジタルアート作品。
無数のホログラムによるインタラクティブデジタルインスタレーション。
ホログラムによって映し出された人々が互いに影響し合って、楽器を奏でたり踊ったりする

「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地」展

沖縄県那覇市内にある百貨店リウボウ6Fの催事場にて、体験型知育空間『チームラボ 学ぶ!未来の遊園地』展を開催。
「お絵かき水族館」、「まだかみさまたちがたくさんいたころのものがたり(仮)」、「天才ケンケンパ」、「光のボールでオーケストラ」を発表。
11/12(火)〜25(月)まで

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