月刊Bestピープル考。〜ヒトから見る、新たな向こう側〜


スペシャルインタビュー



結果を出して、子ども達が憧れるようなクラブに!
新たな体制で2014年のJ2リーグに臨むロアッソ熊本。クラブ創設10年目を迎えた今シーズン、12名の新戦力が加わった。
中でも、ピッチ内外でチームを引っ張る役割を期待されるのが、地元出身の巻誠一郎と岡本賢明、そして宮崎県出身の園田拓也。
加入に至った経緯やお互いのこと、今シーズンの目標などを聞いた。

「味方になったからこそ、誠一郎君の特徴であるゴール前の怖さを生かせるなと思います」
―― DF 4 園田拓也(そのだたくや)

◆PROFILE
1984年11月23日生まれ。宮崎県出身。国見高校(長崎)から中央大学へ進み、卒業後にモンテディオ山形に加入。
2012年に愛媛FCに移籍し、昨シーズンまでJリーグ通算111試合に出場。フィジカルの強さを武器にした1対1の対応や統率力が売り。180cm、71kg。




「地元出身選手が多い札幌で周りの選手を見ていて、地元でやりたい気持ちが膨らんでいました」
―― MF 14 岡本賢明(おかもとやすあき)

◆PROFILE
1988年4月9日生まれ。熊本市出身。ルーテル学院中、ルーテル学院高を経てコンサドーレ札幌でプロとなり、7シーズンに渡って中心選手として活躍。
正確なボールコントロールを生かしたドリブルとパス、そして勝負所での得点力の高さが特徴。
170cm、65kg。





「試合を見に来た方に、熱くなれるものを持って帰ってもらいたい。チームとしてそういう試合をやっていきたいと思います」
―― FW 36 巻誠一郎(まきせいいちろう)

◆PROFILE
1980年8月7日生まれ。宇城市出身。小川中から大津高校、駒沢大学を経てジェフユナイテッド千葉でプロ選手となり、2005年に日本代表に初選出。
ドイツで行われた2006FIFAワールドカップに出場。
「利き足は頭」と公言するヘディングが武器。184cm、81kg。


――熊本への移籍を決意した理由を改めて教えてください。

岡本 僕は「いつかは地元の熊本でやりたい」という思いもありましたし、必要とされるチームでやるというのが自分の中での決まりでした。
タイミングが良かったというのもあります。

――高校(ルーテル学院)を卒業した時点からそういう思いがあったんですか?

岡本 札幌は地元の選手が多いチームで、「北海道出身の選手はいいな」といつも思っていたんです。
周りの選手を見て、地元でやりたい気持ちが膨らんだというのはありますね。

園田 去年の熊本の成績を見ると、失点が多くて、オファーをもらった時に「自分が入った時に、どれだけ貢献して失点数を減らせるかチャレンジしたい」という気持ちもありました。
地元の九州ですし、その2点が決め手になったかなと思います。
――巻選手はいかがですか? クラブとしては以前から獲得の意思表示をしていたわけですが。

 実際のところ、正式なオファーは今回が初めてなんです。
他にも条件がいいオファーはあったんですが、金額のことよりも「どれだけ自分の価値を引き出せるか」、クラブにどれくらい影響力を与えられるかという基準で考えました。
熊本は地元ですし、やってみたいという思いはありましたから、今回初めて話が進んで、「ぜひやりたい」と。
僕自身はもう一度ステップアップしたいと思っていますし、それはクラブとしてJ1に上がるのがベストですが、個人としてももっとレベルアップしたい。
そういう中で小野剛監督からも1人のプレーヤーとして評価してもらい、自分の価値を上げられるなと思いました。
あとはいろんな方の思いだったり、そういうのも大事にしないといけないなと。

――皆さん、同じJ2のカテゴリーで熊本と対戦しているわけですが、その時に感じた印象はどうでしたか?

 僕が対戦したときは下位が見えている状況で、皆がひたむきにプレーしていてやりづらいチームだったという印象があります。
その反面、ムラがあるというか、付け入る隙がたくさんあるなという印象もありましたね。
それが去年の順位に表れていると思います。

園田すごく堅いチームという印象があったんですけど、去年の数字に表れている状況ですね。
チームの雰囲気としては、すごくまとまっているチームだなと思います。

岡本 僕は札幌側からの見方なので、熊本では札幌は1試合も勝っていないし、すごく強い相手だというイメージです。
アウェイだけでなくホームでも負けていますからね。
順位が毎年低いのはどうしてかなと思いながらもなかなか勝てない相手だったから、嫌なチームという印象はありましたね。

――ところで、先日行われた新体制発表の際、巻選手の名前が呼ばれて会場のお客さんからも驚きの声が出ましたよね。
我々もあの場で知って驚いたんですが、他の選手はどの段階で巻選手の加入を知ったんですか?

 だいたい、知らなかったよね?

岡本 はい。

 その前に、こっちで一緒に食事に行ったんですよ。

岡本 そうでしたね、その時に「いくつかオファーがある」というのは聞いていたんです。
僕は熊本でやることが決まっていたので、「だったらぜひ一緒に熊本でやりましょうよ」って、「まぁ、来ないだろうな」と思いながら冗談半分で話したんですけど(笑)、来るってことになって嬉しかったですね。

――じゃあそれを知ったのは?

岡本 皆と同じタイミングだと思いますよ、あの会場(県庁)で知ったと思います。

 正直言うと、僕自身も、あの2時間くらい前までは熊本に入るかどうか分からなかったですから(笑)。

――他の2人にとっては、巻誠一郎という選手はどんな存在ですか? 学生の時に日本代表としてワールドカップに出た場面を見ているわけでしょう?

園田 僕は結構、近い存在なんですよ。

 近いよな。僕の弟が国見高校で同級生なので。

園田 それもあるし、親同士も結構仲良くさせてもらっていて。だから、まさか同じチームでプレーすることになるとはね(笑)。

――岡本選手は8歳ぐらい違うわけですが、どうですか? 地元のスターだったでしょう。

岡本 そうですね。

 でもそんなに遠くないよな?

岡本 キャリアとかを見れば全然違う世界の方なんですけど、僕も何年か前に札幌でご一緒したことがあるんです。それ以降、会えば挨拶していましたし。
ただ、今年同じチームでサッカーができるとは思っていませんでしたよね。

 そんなもんですよ。

岡本 サッカー界は結構狭いですからね(笑)。

――では、それぞれ「対戦相手としてはここが怖かったけど、味方になったから心強い」という部分を教えてもらえますか?

園田 誠一郎君に対しての印象は、対戦相手としてはゴール前での怖さを警戒していましたから、逆に味方になると、今もゴール前に早いボールを入れたりする練習をやっていますけど、その特徴を生かせるなと思います。

――誠一郎君って呼ぶんですか(笑)。

 そうなんですよ(笑)。でも、あんまり勝った記憶が無いね。

園田 そうですか?

 うん、ほとんど勝ってない。DFとしていやらしいんですよ(笑)。

園田 でも、結構いろんなタイプのFWとやるので、あんまり覚えてないですね(笑)

――岡本選手については?

 俺はね、いい印象しかないんだよね。

岡本 俺の印象あるんですか(笑)

 結構、お前に点を決められてるからね。

岡本 東京Vの試合は、そうですね、2点決めたのがありましたね。

 その時の印象が強いから、「嫌なタイプの選手だなぁ」と思ってたんだよなぁ。
ポジショニングもそうなんですけど、ワンチャンスで1点決められる、みたいなところがあってね。

岡本 そういうタイプですから(笑)。

 途中から入って2点取られたこともあったよね。

岡本 昇格した年(2011)ですよね、あれ、負けてたらピンチだったんですよ。
残り5分ぐらいで出て、僕が2点取って勝ったんです。

 ちょいちょい取られてるんだよねぇ。

岡本 東京V戦は去年も取りましたし。

 そうそう、だからすごくいやらしいんですよ。話すまでは「とっても嫌なヤツ」だと思ってましたよ、超生意気で嫌なヤツなんだろうなって(笑)。

岡本 マジですか(笑)。

 そしたら意外に礼儀正しい(笑)。

――園田選手については?

岡本 俺、愛媛戦は去年も出てないし。ソノ君とはあんまりやってないですね。

園田 札幌とは結構入れ替わりなんですよ。札幌がJ1の時は自分のチームがJ2で、自分のチームがJ1に上がると札幌が落ちるっていう。

――巻選手と岡本選手は地元ですし、園田選手も九州出身です。地元でプレーすることになって、改めて、気持ちが引き締まったりしますか?

 やっぱり結果が出ないと子ども達も憧れてくれない。
水俣でやったミニキャンプの交流会で、集まってくれた子ども達に「ロアッソの選手になりたい人?」って聞いたらね、誰も手を上げてくれなかったのがショックでね。
子ども達が目標にするようなクラブ、選手にならなきゃいけないなと改めて感じましたね。
クラブの価値をもっと上げなきゃいけないなと思っていろいろ考えたんですけど、やっぱり試合に勝たないとだめだなと。
子どもは純粋で、強いチームが好きだから。そこは外しちゃいけないなと改めて思いました。
去年が下位に沈んでいるので、あとは上がるだけだと思っていますよ。
新しく入った選手も含めて、適材適所というか、必要なポジションに必要な戦力がいて、噛み合いそうだなと思うので、それは心強いです。

園田 友達から連絡をもらったりもしますし、地元に帰って来たからこそプレッシャーを感じますね。
九州に帰ってきたことで安心するんじゃなくて、チームでしっかりと結果を出すことが、いちばんの仕事だと思います。
いいプレッシャーを感じながらやっていけたらなと思います。

岡本 僕は札幌での経験しか無いので、Jリーグのチームはああいう感じなんだと思っていたんですけど、来てみたら少し違うんです。
さっき話に出たみたいに、まだロアッソに憧れてない子たちもいる。
「なんで?」って聞いてみたら、「俺はJ1のチームに行くんだ」って言うんです。
でもそれは当たり前なんですよね。
札幌で「いいな」と思っていたのは、本当に小さい頃から「コンサドーレに行きたい」という子達がいて、そういう選手がトップチームに上がって来て、その選手達をまた子ども達が目標にする、そういう循環ができていて、道民の皆さんもそれを支えている。
今の熊本がまだそういう感じになっていないんだとしたら、自分がそういう方向に持っていけばいいと思うし。
簡単なことじゃないのは分かるんですけど、そこにもやりがいを感じます。
巻さんが言うように結果も大事なので、しっかり結果を出していかなくちゃいけないなと感じてます。
あと、今までのロアッソは大津高出身の選手が多いんですけど(笑)、別の高校出身の選手が入ることで新たに応援し始める人も必ずいると思うから、それは自分にできることかなと思いますね。

――やはり地元出身の選手が増えると県民への訴求力も高くなりますからね。

岡本 それでも結局は実力の世界なので、地元出身の選手が結果を出して試合に出るってことが大事ですよね。

――その点、3人ともJ1でのプレー経験があって、今まで足りなかった要素を加えてくれるんじゃないかという期待感もあります。

 2人ともサッカーをよく知っていて、気が利きますからね。随所でそういうプレーをしているなと感じます。判断1つでゲームを左右することもあるので。

――チームへの注目度の変化などは感じますか?

 知名度はもっと上げたいですよね。

岡本 熊本に帰ってくることが決まって、今までお世話になった方に連絡した時のことなんですけど、「今までロアッソの試合を見たことはないけど、お前が帰ってくるなら応援に行かなんね」と言われたのは、正直、寂しかったですね。
サッカーをやっている子ども達があまり見に来ていないような状況は変えていかないといけないし、そういう現実はしっかり受け止めないといけない。

 最近はバスケットのヴォルターズが盛り上がっていることを周りからも聞くので、
負けないように頑張らないと。

岡本 ロアッソの価値をもっと高めていきたいですよね。

 メディアの方も、価値を上げるような取り上げ方をしてもらうようにお願いしたいです(笑)
特に今いる選手達は熊本愛が強いから、選手をうまく使ってもらって。
今回も2ページじゃなくて、4ページくらいお願いしますよ。

――それは編集部に相談します(笑) 最後、自身のセールスポイントと合わせて、今までの経験を踏まえて今年はこういうプレーを見て欲しいというところ、それから今シーズンの目標を聞かせてください。

園田 守備の選手なのでしっかりボールを跳ね返すとこ

ろと、後ろからボールを散らしていくところ、あとはディフェンスをまとめる声を出していくところ、その辺を見て欲しいなと思います。

岡本 僕は本気で、熊本でJ1に上がるために来たので、そこだけはブレずにやりたいですね。
あとはどれだけチームに貢献できるかというところ、これは数字で出てくると思うので、持ち味であるゴールに絡むプレーを出したい。
あとは膝の怪我もあるので、1年を通していいコンディションでプレーすることを目標にやっていこうと思います。

 もちろん、J1に上げるというのがいちばんの目標ですけど、上がるだけじゃダメだと思うんです。
この誌面を見てくださる皆さんも、今度からは「J1に上がれるんだ」という思いでロアッソを見て欲しいなと思います。
僕自身はチームが苦しい時に点を取るのが最大のセールスポイントだと思っています。
点が取れなくても、苦しい時に仕事をしてチームを助けたい。
とにかく、試合を見に来た方に何かを感じて帰って欲しい。
どんな感情でもいいから、熱くなれるものを持って帰ってもらいたいなと。
それも僕1人ではできないので、チームとしてそういう試合をやっていきたいなと思います。


ロアッソ熊本 公式サイトはこちら

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