熊本ラーメンちゅるどれん

Special Interbiew 脈々と受け継がれる熊本ラーメンの功労者が対談! ガチ二者麺談

誕生して約半世紀。今や熊本ラーメン≠フ名は日本各地に広まり、熊本のご当地グルメとして認知されている。 その歴史の背景には、ブランドを根強いものにした功労者≠ェ存在する。そこで巻頭スペシャルとして、現在の熊本ラーメンを語る上で外せない 名店同士の対談をお届け。そこには、奇妙かつ絶妙な繋がりがあった――。

〜老舗編『こむらさき』×『黒亭』〜

千里の道も百歩から
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黒亭』代表取締役
平林 京子さん

1978年生まれ、熊本市出身。妹の楠田奈都美さんと共に、1957年創業の『黒亭』3代目代表取締役。ほんわか癒し系キャラに隠れファンも多数!? 趣味は読書、ビーチフットボール。

たかがラーメン、されどラーメン
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こむらさき』代表取締役
山中 禅さん

1952年生まれ、熊本市出身。1954年創業の『こむらさき』2代目店主にして現代表取締役。趣味は音楽鑑賞で、ジャズなどが好み。自身のバンド“ブルーグラス”で演奏することも。

ニンニクチップが入っていなかったら”熊本ラーメン”は存在しえなかった

●熊本ラーメンの老舗として知られる『こむらさき』で、最初に出したラーメンはどのようなものだったのでしょうか?

山中社長(以下、山)「昭和29年に創業して親父(=先代・山中安敏氏)が最初に作ったラーメンには、ニンニクチップが入っていなかったんです。 で、『何かが足りない』ということで試行錯誤の末、ニンニクチップを入れよう、と。
もし今も入っていなかったら他の地域のラーメンとほとんど変わらないですからね、”熊本ラーメン”っていう食文化が生まれなかったかもしれません」

●『こむらさき』で修業を積んだのが、『黒亭』の初代店主・平林武良さんだとか。

「そうですね。画家だった彼が『絵では食べていけないので、ラーメン屋を副業としたい。作り方を教えて欲しい』と懇願されたのがキッカケです。 今でも本店には、平林さんが描いた絵が飾ってありますよ」

平林社長(以下、平)「エッ、そうだったんですか!? おじいちゃんの絵がこむらさきさんにあるなんて今、初めて知りました(笑)」

●これは意外な事実ですね(笑)。そして初代・平林さんが独立して『黒亭』をオープン、京子さんは小さい頃からその様子を見ていたと思うのですが、継ぐことを決心したキッカケは?

「正直、私の母と叔母がお店を手伝っていたんですけど、すぐ近くで見ていたから『朝早くから夜遅くまで働いて大変そうだなぁ』って思っていて。というのも、10年くらい前、後継ぎがいないっていう時に『このまま無くなるのは寂しいね』って妹と話して、姉妹で継ぐことにしたんです」

「これは裏話なんだけど、おばあちゃん(=二代目)がウチに『後継ぎを探しとるばってん、いい人おらんかね?』って相談しに来たことがあって。困っとるならぜひ協力したい!と思って、ウチのスタッフに聞いてみたりしたんですよ」

「そうなんですか! これまた初めて知りました(笑)。後を継いで以降、少しずつ作り方とかを教えてもらったんですが、特にスープとニンニク油は他人に任せずおばあちゃんが守り抜いた秘伝の味なので、その味を継承していきたい。あと、お客様は神様だからね≠ニいう生前のおばあちゃんの口癖も、大切にしているから、今があると思います」


●今は豚骨だけでなく、醤油、味噌、塩、つけ麺などをウリにした多様なラーメン店が熊本にも登場していますが、現状をどのように見ていますか?

「今は豚骨とか醤油とかっていうことじゃなくて、すべてがボーダレス化していると思う。味の基本となる部分は同じだと思うので、そういった部分で各店が切磋琢磨しあいながらやっていければ。今の時代は味も、食べる人の好みも多様化している。10人に食べさせて、全員が旨いと思えるラーメンを目指すより、10人中6人が旨いと思えるような王道の味≠守っていきたい。それこそが、流行に左右されない永く愛される味だと信じています」

●では最後に、これからどのようなお店を作っていきたいですか?

「昔から続く老舗だからこそ、飽きられないように努力します。自分の子どもの世代まで愛されるようなラーメン屋さんを作っていければ」

「“肥後の引き倒し”っていう言葉があるように、熊本人は昔から出る杭を打つ傾向がある。でもそれでは文化は育たない。老舗・新店関係なく手を取り合って、共存共栄していくことが熊本ラーメン発展の鍵になると思います」

麺談の結論:「店同士の共存共栄が、熊本ラーメン発展の鍵!」
対談から飛び出た!目からウロコTOPICS
山中・平林両社長が気になる店ベスト3!

◆山中社長
高松食堂』……若くして自分のポリシーを持ってラーメンを作る姿が素晴らしい
里屋』……非豚骨ラーメン店ですが、これからの熊本ラーメン界を引っ張るお店

◆平林社長
文龍』……あの男気溢れる感じが好き。いつも若い人でいっぱいなのも凄い
龍の家』……ここも同じく、若い人を呼ぶ吸引力が本当に凄い!
けんだま』……スタッフが元気で刺激になります。ラーメン自体も美味しい

『こむらさき本店』に『黒亭』初代店主の絵が飾られている!

『こむらさき』からラーメンを学んだことを実証する、初代の絵。
京子さんも初めて絵の前に立ち、感慨深い様子

『こむらさき』魂の一杯 王様ラーメン 600円

「初めてのお客さんはとにかくこれ。ウチのすべてが詰まった味です」と山中社長。
余分な脂やアクを丹念に取り除くことで、コクと上品さが共存するスープは創業58年経った今なお伝わる、初代からのこだわりの製法だ。 独自のロースト法で作るニンニクチップをのせると、より深みが増す!

こむらさき

こむらさき

全国区の熊本ラーメンの老舗。豚骨と鶏ガラ、香味野菜を大釜で煮込んだスープはあっさりだがコクがあり、香ばしいニンニクチップとマッチする。 創業当時から変わらぬ味のほか、独創性あふれる納豆ラーメンも。

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『黒亭』魂の一杯 ラーメン 590円

豚の頭だけを使った白濁スープは、脂が少なく旨味を凝縮したような濃厚さ。 平林社長が直々に先代から習った、創業以来55年間「店の命」であり続けるスープ&ニンニク油の滋味深さをダイレクトに味わうことができる。 昨年から導入した石臼挽き粉使用の自家製麺とのバランスも◎!

黒亭

黒亭

平日でも客足が絶えず、県内外問わずファンが多いラーメン店。豚の頭だけを使った白濁スープと、じっくり熟成されたコシのある自家製麺が絶妙。 創業時から受け継がれる秘伝のタレで作った“チャーシュー麺”も◎。

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